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犬と猫のマラセチア症とその予防

犬と猫のマラセチア症とその予防

今日は、犬と猫によく見られる皮膚のトラブルの一つ、マラセチア症についてお話ししたいと思います。

マラセチアとは、皮膚や耳に常在する真菌の一種です。
正常な状態では問題を起こしませんが、免疫力が低下したり、皮膚のバリア機能が損なわれたりすると、過剰に増殖して炎症やかゆみを引き起こします。
マラセチアは特に暖かく湿った環境を好むため、夏場や雨の多い季節に発生しやすくなります。
(その他にもアレルギー性皮膚炎や寄生虫による感染など様々な要因があります。)

現在のところ、マラセチア症を予防する明確な方法はありません。
では、どうやってマラセチア症に対処することができるのでしょうか?
まずは、ペットの免疫力を高めることが大切です。
バランスの良い食事や適度な運動、ストレスの軽減などが効果的です。
また、皮膚のバリア機能を保つためには、適切なシャンプーを選ぶことが重要です。
強い洗浄力のあるシャンプーは、皮膚の自然な油分や菌叢(きんそう)を洗い流してしまう可能性があります。
ですので、マラセチア症に対して抗真菌作用のある成分を含むシャンプーを使用することをおすすめします。
ただし、頻度や時間にも注意が必要です。
シャンプーをしすぎたり、長時間放置したりすると、逆に皮膚を刺激してしまうことがあります。
一般的には、週に一回程度で十分ですが、ペットの状態によって異なる場合もありますので、必ず獣医師に相談してください。

それでももしマラセチア症になってしまった場合、抗真菌薬での治療がおこなわれます。
お薬の種類としては、ぬり薬・点耳薬・内用薬があります。
また、細菌や寄生虫(耳の場合はミミヒゼンダニ)がいないかも検査で調べられ、必要であれば並行してその治療もおこなわれます。

最後に、マラセチア症は感染性ではありませんが、同じ家庭で暮らすペット同士で重度の免疫低下状態にある場合に移る可能性があります。
そのため、マラセチア症にかかったペットは隔離することが望ましいです。
また、使用したタオルやブラシなどは消毒することも忘れずに行ってください。

以上、犬と猫のマラセチア症とその予防についてでした。
マラセチア症は早期発見・早期治療が重要です。
ペットの皮膚や耳に異常を感じたら、すぐに獣医師に相談してくださいね。 黒猫